ルモーリン

ヘッドホンアンプを自作

投稿:2008-01-02、更新:2013-11-02

2011.01.28 バッファでヘッドホンアンプを自作しました。 2009.03.27 ちっちゃいヘッドホンアンプはじめました。 ヘッドホンアダプタを自作もあります。
オペアンプを使ったヘッドホンアンプを自作していましたが、電源はスイッチングレギュレータで実験用のケースに入れてました。 電源を別に使いたくなったので、この機会にアンプに電源を追加してケースの中に収めることにしました。
前から見ると、こんな感じ。ケースが一番高いパーツ。(笑)シンプルさが信条です。 前から見たところ 後もシンプル。ピンジャックが金メッキなのが凝ったところ。 後から見たところ 中を見たところ。 中を見たところ 手持ちでセンタータップを出せるトランスがこれしかなかったから、無駄に大きいです。手前の左側が±5Vの電源回路、右側がアン プです。トランスに電線がたくさん集まっているタップがセンタータップで、電源とアンプの0Vとなる所です。当初はハム(ブ?ン というノイズ)がひどかったですけれど、0Vを必要とするところにセンタータップから直に配線することでハムが気にならない程度 まで改善できました。
±5V電源回路
±5V電源回路 ブリッジダイオードで全波整流したあと、正負それぞれ三端子レギュレータで安定化させています。三端子レギュレータを考えた人 に足向けて寝られません。半導体メーカのホームページで簡単に三端子レギュレータの説明書を入手できるなんて、夢のようです。 それで正しいピン接続ができます。(容量と正負でもってピン接がまるで違うんだもん。ホントだって。)
アンプ
アンプ 前のヘッドホンアンプの残りというか、これで全部です。オペアンプを考えた人に足向けて寝られません。直流分が気にならない程 少ないので、ラインにはコンデンサを入れないようにしました。音源に直流分が入っているとそのまま出ます。 2006.03.07 このページが異様にアクセスされるので色々と検索してみますとキーワード「ヘッドホンアンプ 自作」でいらしてるようですね。 そんな訳で若干の追加情報をば。
IC1個にオペアンプ2個入りのよくあるタイプですけれど左用、右用に1個ずつ使っています。 使用中のオペアンプは東芝TA75072Pというまったく見向きもされない物です。 でも女性ボーカルが艶っぽく聴こえるんですよ。 それとアンプ部の回路を改善してみました。

改善後のアンプ(ちょっとピンボケ)
改善後のアンプ 上の写真と比べておわかりの通り抵抗の点数66.7%オフ(当社比)となってます。 まぁ3個/ch→1個/chになっただけですが。 改善の1点目はオペアンプの出力にあった150Ωを外しました。 この150Ωはヘッドホンと直列に入っていて低い音にはヘッドホンの抵抗が低いので150Ωが効きますけれど 高い音のときはヘッドホンの抵抗が高いので150Ωがあまり効きません。 このように音の高さで効き具合が違うのでは音楽を聴くのによろしくない訳です。 ちなみにこの150ΩはSONY CXA4559P/L/Mのデータシートにある応用回路例「ヘッドホン ドライバー」にあります。 2点目の改善はアンプの増幅率を10倍→1倍に変更したことです。 ツマミをちょっと上げたらかなり大きい音になってたので調整の余地がない状態でした。 うーん。説明が下手ですね。 少し上げるともううるさくないギリギリの大きさになってたんです。 先程の150Ωを外しているのでその分も増幅率を下げなくてはならず両方合わせた格好になりました。 オペアンプの出力を抵抗で分圧して負入力に戻すことで正入力とバランスをとらせていまして 本当は増幅率0.5倍にしたかったのですけれど出力→負入力にそのまま戻しても1.0倍になってしまいますから それより下の倍率にできないことに気がついてあきらめました。 まぁ「案ずるより産むが易し(=結果オーライ)」の通り丁度よい加減になってラッキーでした。 改善後の回路はこんな感じ。(1ch分です。)
改善後の回路(買ったばかりのデジタイザで手書きの回路図をなぞってみました。) 改善後の回路 2006.06.10 上記の回路でヘッドホンATH-W100を使っていたら右側から音が全く出なくなり、 修理見積で34,000円だからあきらめました。くれぐれも自作アンプの使用には注意してね。 特に上図の場合は直流モロ出しなので音は聴こえてなくてもヘッドホンに負担をかける場合があるから。
ヘッドホンアンプの自作をされていらっしゃる皆さんのホームページを拝見しますと色々と勉強になります。 にも関わらず上のような内容ではお役に立てませんので気がついたポイントをいくつか。 製作の際の参考(=olfaの真似はやめておこう。)や物笑いの種(=olfaは素人だな。)にどうぞ。
・オペアンプはヒートシンクが不要でその消費電力よりも小さい電源の3端子レギュレータもヒートシンクは不要。
・1点アースは各部品の基準電圧(=0電位)をそろえるために行なうのだから太い電線を同じ長さにそろえて使い半田付けでしっかり接続。
・でっかいトランスに電気をちょびっと流すと漏れ磁束もやっぱりちょびっと。
・導体に起電力を生じるのは磁束の直交成分によるものだけだから磁束に平行の所は起電力が生じない。
・よくある電源トランスは磁束が垂直に発生するので配線も垂直にすると漏れ磁束の影響を受けない。(←ここ笑うトコ。)
2006.03.10 別のオペアンプを試してみました。 久しぶりにパーツ屋さんに行きますと新しい(私にとって。)オペアンプが入荷していたので交換してみました。 聴いた楽曲は原田知世さんの「ロマンス」です。 ・JRC NJM4558D→アコースティックギターの弦を指で弾いています。 ・JRC NJM4560D→(同上) ・JRC NJM5532D→上記に加えてギターの胴から音が出ています。 次の楽曲は原田知世さんのアルバム「Garden」の4曲目「Walking」です。 現行のオペアンプで「艶っぽいなー。」と感じたものです。 ・JRC NJM4558D→TA75072Pと同じ。 ・JRC NJM4560D→原田知世さんが至近距離で歌ってるような感じです。(両腕を私の背中に回す位) ・JRC NJM5532D→(同上) という訳で今後はNJM5532Dを使っていこうと思います。
2006.12.10 ヘッドホンアンプを試作しました。 ATH-W100(30,000円)を壊してしまってからAIWA HP-X122(1,500円)をしばらく使っていましたけれどヘッドホンが物足りません。 そこで電気屋さんを巡って予算2万円で買ってきたのがBOSE Triport(だっけ?)という物。 インターネットで調べるとボロクソに言われていますね。 おおむねドスドス言うらしい。 覚悟して上記のモロ出しアンプ(別名ヘッドホンクラッシャー、しくしく。)で聴いてみました。 あれれ、ちっともドスドス言わないなー。 まてよディジタルアンプ(DENON PMA-580D)のヘッドホン端子に入れてみるか。 おぉ、ウワサ通りにドスドス言うねえ。 という事はモロ出しアンプはTriportの特徴を見事に殺してる訳だ。 別名BOSE殺し(笑)。 なんかすごいアンプに聞こえるけれど実際の所はオペアンプの馬力が足りなくて音が出てないだけですから。 さてモロ出しアンプの馬力不足を補強する方法を考えてみるとオペアンプを追加して補強するのが良さそう。 オペアンプのボルテージフォロア(倍率1倍の奴)は並列運転できるか調べてみるとダメらしい。 (FAQに書いてくれたNEC半導体の人ありがとう。) さてどうしたものか。 負荷の片側にオペアンプ2台を入れないで両方に1台ずつ入ると並列運転にならないからOKだろう、きっと、そうあって欲しい。 でも両側に入れてしまうと負荷の両端が同電位になってしまって音が出ませんね。 片方の出力を反転させると電位差ができるから音が出そうです。 負荷の両端で電位が動くのでこれまでの電位差をV0とすると今度の電位差V1=V0-(-1xV0)=2xV0となって倍の電位差になるなぁ。 もう1つの問題はヘッドホンがステレオで電線がL/R/COMの3本しかありません。 モロ出しアンプを含む大抵のヘッドホンアンプは左右の-側を共通にしてヘッドホンに合わせています。 負荷の両側にオペアンプを入れてしまうと-側に2個のオペアンプを接続することになって並列運転となります。 まいったなこりゃ。 ない知恵絞って出て来た方法が「トランスで絶縁してから2個の-側を接続」というアイディアでした。 なんかコンデンサ使うよりまだ悪い気がするんですけれど、とりあえず鳴るように思えるし ヘッドホンアンプの自作でこんな事をしてる人をインターネット上で見つけられなかったので これは面白いんじゃないかと思ってやってみました。 パーツ屋さんへ行ってみるとSansuiオーディオ用トランスST-23がありました。 本当の巻数比1;1ですけれど2次側にあるセンタータップを使えば2:1になって電位差2倍の件も解決してラッキー。 値段は480円/個ってオペアンプ4個買えちゃう。 試作なのでシンプルに。トランスの右側からクルクル出てるのは2次側の使わないタップ。 試作したアンプ 回路図はこちら。PAINT系ソフトで作った力作。 ST-23の1次側の記号を反転させて2次側としたのでセンタータップ書いてません。 (AmigaOS3.9で動作するDRAW系ソフトあったら教えてください。) この回路は誤まりですから末尾までよく読んでね。 試作した回路図 肝心の音なんですけれど意外だったのはトランス使っていてもちゃんと聴こえた事。 高校で作ったインターホンの音質が悪かったので「トランス=音が悪い」という誤解をしていました。 モロ出しアンプと比較するとこっちがドスドス言うのでしばらく使ってから乗りかえるつもりです。 でもディジタルアンプのヘッドホン端子の域まで達していません。 他に馬力よくする方法はないかなー。 2006.12.13 上記の回路に誤まりがあって下記のように修正しました。 しばらくトロッコアンプ(今2人1組でトロッコをこぐ様子から思い付いた)で聴いていたら オペアンプが10秒と触れられない程熱くなっていました。 どの辺がおかしいのかさっぱりわからないのでとりあえず入力にボリューム付けてみました。 というのも入力が浮いている可能性があるかなと思ったのです。でも効果なし。 その後、ようやく-側のオペアンプ周りの回路が大間違いとわかりました。 上記回路の間違いはどこかわかりますか?(5分で3級←おおうそ) ボリュームを0に絞った上でテスターでアチコチ測定してみると-側オペアンプの出力が-4.7Vってあなた、0Vになる予定はどこに? ボリューム上げた際の挙動は不明だけど-4.7V固定なら実質モロ出しアンプにトランス足した状態だったんだ…。あれま。 正しいトロッコアンプの回路図(ホントか?) 正しいトロッコアンプの回路図? -側の回路は倍率1.0の反転増幅で教科書通りなのですけれど 回路中の47kΩはオペアンプの入力インピーダンス(だっけ?)が高い物なら100kΩ、低けりゃ10kΩだそうで間をとりました(<おい)。 東芝TA75072Pを使用してるので100kΩのほうです。 さっきは-4.7Vとなってた-側オペアンプの出力は-3mVと極めてマトモな状態になりました。 それから写真。 正しいトロッコアンプの写真? さて肝心な音楽のほうはどうでしょうか? いつもは原田知世さんの声(楽曲)が艶っぽく聴こえる方に軍配を上げていますが今回に限りドスドス言う方に上げます。 ドスドスが割と得意なディジタルアンプのヘッドホン端子と比較しました。 平沢進さんのアルバム「SOLAR RAY」の1曲目「SOLAR RAY」を聴いてドスドス言うか確認してみました。           おぉ、こっ…これが噂のドスドスか… あまりにすごくてなんか耳アカ取れそう(ばっちぃなぁ)。 ←誇大な表現(私は猫耳なので無理です。と言っても漫画家 大島弓子さんの作品でなく)。 出せないんじゃないかと内心あきらめていたディジタルアンプのヘッドホン端子をあっさり越えてドスドス言ってます。 ここまで「ドスドス」と書いてるからBOSE、東芝、Sansuiの人達が「ウチの製品を使うなー。」とシュプレヒコールしそうだけれど、 モロ出しアンプの非力さを改善できたのでホメてるつもりですから。これじゃBOSE殺しじゃなくてホメ殺し? またしばらく使ってみて調子が良ければモロ出しアンプで使用中のNJM5532Dに交換してみます。
・負荷の両端に±のアンプを接続する方式をBTLと言いカーステレオでは有名。 ・BTLのSTANDS(*)は「Bridge Tied Load」「Balanced Trans Less」とか色々なバリエーションが流布。  *:STANDS 「Aの略がB」のとき「BのSTANDSはA」と言う。 ・「アンプをBTLにすると出力電力が4倍」は誤解。  負荷が受動部品であればBTLで電圧が2倍になると電流が2倍になるのでアンプはそれに耐える必要がある。  例)定格10V2A(20W)のアンプに5Ωの負荷を接続していて定格ギリギリ2Aで使ってたとする。    アンプ2個でBTLにしたら負荷には20Vかかって4A流れようとするから定格2Aのアンプでは無理。    そこで定格10V4A(40W)のアンプ2個を用意することになり、    40W x 2 = 80W = 20V x 4Aだからアンプの出力電力は変わらないという訳。 ・トロッコアンプはBTLで2倍になった電圧を巻数比2:1のトランスで半分にしてアンプ1個と同じ電圧を負荷に入れます。  電圧が半分になった代わりに電流を2倍流せるためモロ出しアンプが電流不足でドスドス言わなかった点を改善できました。 ・BTLの後にトランスを付けてアンプの並列運転を行なうというのは特許もののアイディアなのかな?  一応言っとこ。「2006年12月13日、上記回路及びアンプの並列運転方法をインターネット上に公開しました。」  インターネットのホームページって特許での公知例にあたるんだろうか。 ・ST-23の刻印「Sansui」がオーディオメーカーのサンスイと激似なのでホームページを探したらST-23はサンスイブランドだった。  おぉ、これがサンスイのサウンドか…。  サンスイの人が家の窓から入ってきてスリッパで私の頭を後からスパーンとたたきそうだなこりゃ。  すみませんm(_ _)m すみませんm(_ _)m サンスイは昔からのあこがれなんで一度言ってみたかっただけです。 ・実験用スイッチング電源±12V使用なので、モロ出しアンプの「無駄に大きい電源トランス」にするのが楽しみ。  このスイッチング電源の名誉のために言っておくけどオシロで見てもノイズを見つけられないほどなのよ。  TDK製で25年前の中学の頃に今は亡きそごうデパート(ここは札幌)で秋葉原物産展(パーツ屋!)があったときに持って行った  おこずかいのほとんどを投入して買ったんだった。おかげで今も使える良い電源です。あなたのPC電源は何年もちますか? 2007.02.06 元のケースに収めました。 オペアンプをNJM5532Dに変更後、スイッチング電源の±5Vを使って聴いていましたけれど±12Vとの違いに 気がつきませんでしたから元のケースに収めてよいようです。 困ったのが基板のサイズで試作が思いの他うまくいってしまいこのまま収めるにもスペース不足。 立てて入れると丁度よい具合に収まるし周囲の電線がクッションになって短絡等の心配もないし結果オーライということで。 あとはこのヘッドホンが聴こえなくなるまでこのまま行ってみます。 あ、地元のパーツ屋さんに新種のオペアンプが入ったら試しますね。 試作をした際にパーツ屋さんにあった産業用VRというのがお値段高めでしたけれど「産業用」という言葉につられて購入。 音に違いはないでしょうけれど密閉されているので寿命の点で有利かな? こんな乱れた配線にも関わらずハムノイズ皆無、ボリューム最大にしてもサーというノイズ皆無という不思議なアンプです。 もしかするとオペアンプやトランス達が「配線ぐちゃぐちゃだけどコイツ(=私)の思いに免じてノイズ出さないでおくか。」と 手加減してくれているのかも。 ケースの中 2007.02.14 ボリュームを疑似Aカーブに改造しました。 このページで前述してる「ツマミをちょっと上げたらかなり大きい音」を対策しました。 この問題の正統な対策はVRをAカーブの物と交換することですけれどパーツ購入時に 地元のパーツ屋さんにAカーブがないためしかたなくBカーブを使っています。 そこでBカーブをAカーブもどき(=疑似Aカーブ)に改造しました。 改造は抵抗1本足すだけですけれどそうとわかるサイト一庵堂(一庵さん)のおかげです。 TIPS of Variable Resister 詳細は上のページをご覧いただくとして90kΩ(B)のVRから取り出した信号に4.7kΩを付けると (実測値93kΩと4.6kΩで)半分回したポイントで電圧が8.3%(計算値)しかありません。 残りの半分を回すと8.3%→100%になります。普段聴くポイントが丁度半分になってバッチリ。 上記のページでの取り付ける抵抗aは0.05になりますからグラフのa=0.1よりも深いカーブとなります。 ケースに入れた際にジャックのCOMがケースと付いてるため結局GNDと接続することに。 元々は独立していますから1点だけ接続されても影響はないと思います。だといいなぁ。 最終結果の回路図はこんな感じ。 最終結果の回路図 2007.02.18 電源回路を書いてなかったのとDraw系ソフトAmiCADが使えたので回路図追加。 2009.09.09 回路図のタイトルがtypoで正しくは「Trolley Amplifier」です。 AmiCADで作った回路図 2007.02.15 BOSE Triportに向いた音源を考えてみました。 Triportはドスドスいう訳ですけれど足元から振動が伝わるように錯覚するので 活かす物がないかと考えてみるとライブハウスでは腹にドスドス伝わるのに似てるので ライブ盤を聴こうと思ったら持ってない事に気が付き平沢さんのインタラクティブライブDVDを思い出したけれど 続けてほとんどライン録りのような印象を思い出し太陽系亞種音のDISC14(PAUSE P-MODEL LIVE 19931011)を見つけ聴いてみました。 会場が日比谷野外音楽堂ということでライブハウスよりも広いのと制作時の編集があるのでライブハウスっぽくないです。 それでもスタジオ収録よりは会場に居る感じがするのでこういったライブ盤に向いていますね。 でも色々CD探したけどこれしかないし。 あ、太陽系亞種音の17枚のCDの重量に耐え切れずバインダの金具が外れてしまいました。 バインダはコクヨにしてね。>ケイオスユニオンさん
2008.01.05 新しいアンプを作ったので追加しました。 2chのスレッド「ヘッドホンアンプの自作、改造スレ」をROMっていて、ふと思い付きました。 「末尾のトランスは、左右の電源を独立させると省略できる」 入力のGNDを左右独立にする必要があるとわかったのが組み立て直前だったのは内緒。 せっかくだから、オペアンプを指定して、その仕様から回路定数をきちんと計算していきたいと。 指定オペアンプはNJM5532D。札幌のパーツ屋さんに在庫している8ピンDIPデュアルの中で女性ボーカルが色っぽく聴こえる。 まずはヘッドホンBOSE Triport(初代)の抵抗を測定、左36Ω、右35Ω←左右違うのかよ。 以降の計算では35Ωとします。 NJM5532Dの短絡出力電流は38mAなのでこれ以上流せない訳ですから 38mA x 35Ω = 1.33V。 ヘッドホンに+側と-側の出力を入れるので電圧は半分ずつ 1.33 ÷ 2 = 0.665V。 電源電圧から出力電圧を引いた分をオペアンプが受け持つのでその消費電力が仕様を超えないよう計算。 電源電圧は消費電力と消費電流から求めます。 IC全体で500mW、回路図の三角1個で 500mW ÷ 2 = 250mW。 ※もう手遅れだけど三角1個で500mWという事だったら、大間違いという事に(どきどき)。 ※それとは別に計算にチョンボがあったのは最高機密(ジェミー・ソマーズ並)。 パッケージの待機電流が9mA。消費電力が仕様を超えない電源電圧は ( 500mW + 38mA x 35Ω ÷ 2 x 38mA x 2 ) ÷ (2 x 38mA + 9mA) = 6.48V 例えば電源に10Vを入れると10V-0.665V=9.335Vをオペアンプが受け持って38mAを流すから 9.335V x 38mA = 355mW 消費電力オーバーとなります(500mWの上限がパッケージ1個分と仮定した場合)。 これ書いていて、なんでオペアンプの入門書に消費電力の話が出てないか気がついた。 大抵のオペアンプには電力トランジスタを内蔵してないから、外付けトランジスタで対応するでしょ。 そうするとトランジスタの入門書が担当するから。 でもこのオペアンプNJM5532Dのように電力供給がウリの場合は、それなりに考えないと。 という事は…他のオペアンプで一発にすると電力供給できてないのでわ? 一発で比較していて女性ボーカルが色っぽく聴こえたのは単に電力供給できていただけだったりして(今頃気がついた)。 ぼんのうパワー(by 横島 from GS美神)がこんな所で役に立つとは。 札幌のパーツ屋さんで入手可能な三端子レギュレータは5V、9V、12Vです。6.48V以下が条件なので5Vを選定しました。 NJM5532Dの仕様は電源電圧から3V低い出力電圧が上限なので、電源5V-3V=出力2Vが上限と推測、必要な電圧は0.665Vなので十分です。 入力部のトランスは単純に巻数比1:1のST-32を選定しました。 ここで電圧調整をしてn:1で降圧させてもよいのですが一度の製作でアレコレ挑戦すると問題の切り分けが難しいのでパス。 ※もし、あなたのプレーヤーの音量を半分にして十分な大きさなら、巻数比2:1のトランスを通すだけで、 音が随分と変わりますよ。悪くなるかもしれませんけれど、お試しください。 ボリュームはAカーブ2連を使うとオペアンプから見た抵抗を一定にする方法があるのですけれど、製作後に破損して変更。 (ベークライトにヒビ入って抵抗体断線)「やっぱ安物はだめだぁ。」(by ジェットブラック from カウボーイビバップ) 2008.01.07 ボリュームのカーブがまだBに近いので、よりAに近づけるようにしました。 手持ちの産業用Bカーブ単独100kΩに1.8kΩを並列に追加してインチキAカーブとしました。 トランス2次側から5.6kΩを介してインチキAカーブに入れます。 オペアンプの増幅率は+側1.0倍、-側1.0倍の計2.0倍です。 ボリューム全開のインチキAカーブの抵抗は ( 100kΩ x 1.8kΩ ) ÷ ( 100kΩ + 1.8kΩ ) = 1.77kΩ で、全体の増幅率は 1.77kΩ ÷ ( 1.77kΩ + 5.6kΩ ) x (1.0 + 1.0) = 0.48倍 の見込みです。 +側の増幅率が3.0倍だったミスを見つけてくださった「ヘッドホンアンプの自作・改造スレ」の皆さんに多謝。 オペアンプ周りの定数は増幅率1.0倍なので抵抗比は1:1、これでは数値が決まらない。 数値が決まると影響を受けるのが入力バイアス電流による入力換算電圧です。 抵抗が大きいと、その分「ないはずの電圧が入力された」ように見えるものです。 NJM5532Dの入力バイアス電流は(標準で)200nAです。たたき台として10kΩとすると 入力換算電圧は 200nA x 10kΩ = 2mV です。これは入力側の電圧ですから出力への影響は増幅率倍となりますから2.0倍で4mV、35Ωのヘッドホンに通すと 4mV ÷ 35Ω = 0.11mA 程度となります。ま、こんなもんでしょか。←当初の「回路定数をきちんと計算していきたいと」はどーした? その代わりと言ってはナンですが-側オペアンプの+端子に同様の抵抗を入れて、相殺しましょう。 -端子から外を見ますと10kΩが2個並列に入っています。これは ( 10kΩ x 10kΩ ) ÷ ( 10kΩ + 10kΩ ) = 5kΩ が1個入っているのと同じです。そこで+端子に5kΩをつけてバランスをとる訳です。 手持ちのは5kΩがなくて6.8kΩでした。<バランスとれねーよ。 この他に入力ドリフト電流というバランスの邪魔になるものもあるので5kΩでもバランスとれないから安心してください(笑)。 それから発振防止をしてないので見事なsin波が1MHz?2MHzで出まくりました。 発振防止の方法はインターネットを検索して2つ見つかりました。 方法A.帰還ループの外に抵抗を挿入 方法B.帰還ループの内に抵抗を挿入、更に抵抗の前から小容量のコンデンサで帰還ループをバイパス Aの効果は全くありません。Bは効果てきめん一発で発振が止まりました。 BはCQ出版の月刊誌「トランジスタ技術」バックナンバーにあり、 ホームページ上のサンプルページとして掲載された記事です。 そのページを紹介してくださった方に感謝しつつ、記事を掲載したCQ出版にお礼をしたかったので、 書店にあるトランジスタ技術を一冊購入しました。今月号に発振防止は掲載されていません。あくまでもお礼ですから。 記事の計算方法に基いて定数を決めます。 ケーブル(ヘッドホンのコード)の長さは3m、ケーブルの容量は最大300pF/mと記事にありましたので 300pF/m x 3m = 900pF 帰還ループ内の抵抗は記事の例では100Ωでしたが手持ちの82Ωを使用。バイパスのコンデンサは 900pF x 82Ω ÷ 10kΩ = 7.38pF 以上 となります。ここは記事の受け売りなので何故なのかがわかっていなくて、さみしい。 手持ちの10pFを使用します。 続いて電源ですね。三端子レギュレータの標準的な定数でそのまま行くとして、 残りは、トランス、整流ダイオード、平滑コンデンサですね。 電源電圧が5Vと決まっているので、そこから逆に上がっていきましょう。 仕様では電源電圧+1.7V以上の供給が必要で、一瞬でも+1.7Vルールを破ると5V出なくて凹みます。 ※実は電源回路を製作直後に出力電圧の波形を見ると100Hzで5Vが凹んでいました。 計算は合ってるのにぃと思って逆にたどると、コンセントが96Vしかありませんでした。 安普請なアパートだからなぁ。電源を作る人は自分ん家の電圧を測定する所から始めましょう(笑)。 話を戻して5.0V + 1.7V = 6.7V以上が条件です。 そして札幌の(以下略)トランスはSL-06080(±6V 80mA)で、これが小さくてお手軽です。 実測してみてから計算する点があるので、早速2個購入しました。 無電圧で二次側の直流抵抗が14.2Ω。AC100Vを入れて無負荷でAC10.1V。 直流抵抗が結構あるので電流を使えば電圧が落ちていきます。オペアンプでの消費電流は 9mA + 38mA = 47mA AC100Vで80mA使うときっかりAC6Vになると仮定して最大電圧を計算します。(波形の山の高さ) 6V x 96 / 100 x sqrt(2) + 14.2Ω x ( 80mA x sqrt(2) - 47mA ) = 9.09V 全波整流のダイオードを通るので0.6V落ちますから 9.09V - 0.6V = 8.49V この電圧を平滑コンデンサで充電/放電して6.7Vをキープしなくてはなりません。 ここは北海道なのでコンセントは50Hzです。1サイクルは0.02S=20mSです。 sin波は上へ行って下へ行って戻りますが全波整流しているので下へ行く分も上へ行きます。 20mSの間に山頂が2個あって間が10mS、高さが8.49Vです。 左の山頂で充電したコンデンサの電荷を使っていき電圧が下がり、右の山の壁まで来た時に6.7VあればOKという訳です。 電気容量は放出した電荷と電圧変化の比率ですから、 47mA x (1 ÷ 50Hz ÷ 4 + 1 ÷ 50Hz ÷ 4 x (asin(6.7V ÷ 8.49V) ÷ 90°) ÷ (8.49V - 6.7V) = 207μF 手持ちの1000μFが3個あったので使いましたが倍の400μF程度でよいかと思います。 そもそもコンセントにちゃんと実測値でAC100Vが来ていれば…しくしく。 最後に電源ランプの発光ダイオードに付ける制限抵抗の定数を求めます。 供給元は三端子レギュレータの出力ですと電圧は安定していますけれど、大事なオペアンプに100%注いて欲しいところ。 そこで±の両方の平滑コンデンサからもらうことにします。 最大電圧は無負荷のAC10.1V x 2 = 20.2Vですから波形の山は 20.2V x sqrt(2) = 28.6V 発光ダイオードには2.1Vかけるので制限抵抗が受け持つ電圧は 28.6V - 2.1V = 26.5V 流す電流は10mAとして抵抗は 26.5V ÷ 10mA = 2.65kΩ 手持ちの2.2kΩを使うことにします。え?電流が多くないかって? 26.5V ÷ 2.2kΩ = 12.0mA 誤差、誤差。<大丈夫かホントに? で、肝心の音ですけれど、ハムはボリュームの90%程度で聴こえ始めます。 ここまで開くとヘッドホンがプルプルとくすぐるので、普段は開きません。 太陽系亞種音のDISC14(PAUSE P-MODEL LIVE 19931011)を聴いて、 ヘッドホンアダプタ(ページの頭参照)と比較してみますと、 いやぁ、とうとうステージに上がっちゃったよー、どうしようホントに。 バスドラムってうねるんですねぇ。初めて知りました。 てな感じです。あはは、笑いが止まりません。 という訳で、バンドのドラマーの皆様、「アルバムの中で俺(あたし)のドラムが聴こえねーぜ(ないわよ)。」と お嘆きでしたら、ヘッドホンが壊れるのを覚悟でこのアンプをお試しください。 できあがりの回路図です。 2009.09.09 回路図のタイトルがtypoで正しくは「Trolley Amplifier」です。 回路図 2008.01.28 音量を0から上げた際の増えかたが急なので、入力トランス?ボリューム間の抵抗を外しました。 変更後の回路図はこちら。 2009.09.09 回路図のタイトルがtypoで正しくは「Trolley Amplifier」です。 回路図 前から見たところ 前面 背中から見たところ。真ん中のパーツわかる? 背面 20年以上昔のヒューズホルダです。あ、コレ縦にして使うんだ。写真編集して気が付いた。 ヒューズホルダ フタを開けたところ。右の空スペースに絶縁アンプを自作して配置予定(は未定っと)。 概観 基板の部品面(発振対策前) 部品面 基板のハンダ面(発振対策前) ハンダ面 ボリュームのシャフトが長く、ケースから首をつき出した格好になるので、内側に板を付けて固定し首を引っ込めました。 ヘッドホンジャックが引っ込み過ぎているのは見ないでください(とほほ)。※2008.01.07の修正前写真です。 シャフト 2008.06.11 ヘッドホン破損のため交換(BOSE Triport → Audio Technica ATH-A900) それに伴ないインピーダンスが変わるので再計算します。 Audio Technica ATH-A900の抵抗を測定すると42.3/42.4Ωでした。四捨五入で42Ω。 NJM5532Dの短絡出力電流38mAから 38mA x 42Ω = 1.6V オペアンプの受け持つ電圧は半分ずつ 1.6V ÷ 2 = 0.8V 電源電圧の上限 ( 500mW + 38mA x 42Ω ÷ 2 x 38mA x 2 ) ÷ ( 2 x 38mA + 9mA ) = 6.60V この後は5Vの三端子レギュレータなので以下同様です。 2013.11.02 音響環境の変化に合わせて平衡入力にしてキャノンで受けるようにしました。 まだケーブルを入手していないので音を聞いていませんが(苦笑) キャノンに改造 2008.06.15 このページの前半にあるアンプをATH-A900に使ってみると、これが良く聴こえます。 太陽系亞種音のDISC14を聴いていて驚いたのがライブ収録でのアンコール。 お嬢さん方の黄色い声援がとても華やかに聴こえたのが初体験で、 ATH-A900が女性ボーカルを良く聴かせてくれるという評価に、こういう事かと納得しました。 ちなみに、後半のアンプはオペアンプ2個使っても38mAのままですけれど、 前半のアンプはトランスで巻数比2:1で電圧半分の代わりに電流2倍ですので、 低い音も出せているのではないかと思います。 ※とは言ってもトランスですから低い音は苦手(=直流は通りません)なんですけどね。
2012.04.26 追加しました 以前から解決できていない事でボリュームのカーブが急な点があります。 エクセルで開度0~100%での電圧比をグラフにして色々シミュレーションするとどうやら無理。 元々がそれほどボリュームを開けなくても音量が十分あるため、開度0%~10%が肝でグラフの赤い線を緩くしたい訳です。 そこでボリューム周辺の回路を変更して、ボリュームのカーブを緩くしてみました。 回路図はこちら。

シミュレーション結果はこちら。
2009.09.01 クロストークについて追加 2ちゃんねるのスレッドでクロストーク(例:左側の音が右側から出る)が話題になり、 上の回路を408さんがシミュレーションしてくださったので現物のほうも測定してみました。 音楽を入れてジャック(ヘッドホン出力)の左右にプローブを当てています。 左右に音楽を入れた状態、ボリュームは左右とも80%程度、上段左側、下段右側、レンジは左右とも2.0V(プローブx10、50mV/Divです。) 右のボリュームを0% 右のレンジを40mV(1mV/Div)、ぼやけてるのは発振(泣)、左の音楽は右で見えません。 波形の観測で見分つくのは0.2Div分として、左2.0V、右2mV未満ですからクロストークはlog10(2.0÷0.002)×20=60dB以上ですね。 一応シミュレーション結果と矛盾してない(でも怪しい)。 あと発振の波形でも見てみましょう。こっちのほうが気になって。 左のボリュームを0%
左のレンジを40mV、左も発振(大泣)
横のレンジは1μS(0.1μS/Div)、発振の周期は、ほぼ6Divなので0.6μS、周波数は1.7MHzです。
ヘッドホン替えると発振するって、ギリギリだよね(つかアウト)。でも、

   ボ ル テ ー ジ フ ォ ロ ア や め な い

がんばるもん(ぐすん)。