スーパーコンピュータと探査機
投稿:2009-11-21
このサイトでは、中身が陳腐化するのを防止するために、時事ネタを入れないようにしています。
しかしながら今回の事業仕分けの件が、あまりに頭の悪い「お金のケチり方」だったので、関連した話を。
えーと、スーパーコンピュータの性能について、ご存知ない方々がほとんどだと思いますので、簡単に説明を。
普通のコンピュータ(といっても銀行のオンラインに使うような奴ね)が、うちわでパタパタあおぐイメージだとすると
スーパーコンピュータは台風だと思ってください。その位の性能差があります。
安価に構成できる今時のパソコンの性能で何台分といった表現は、実は間違っていますから、しません。
それと言うのも、多量の数値を総当り戦で計算するのに、2台以上に分離したら総当り戦ができないからです。
簡単な例、4個の数値(A, B, C, D)で総当り戦をしてみましょう。
例なので単純に(A, B, C, D)=(AA, AB, AC, AD, BA, BB, BC, BD, CA, CB, CC, CD, DA, DB, DC, DD)の16回の計算をします。
スーパーコンピュータが(A, B, C, D)を全部持って16回の計算ができるとします。
性能の悪いコンピュータで半分しか持てない、または、処理できないコンピュータが何台かあるとします。
さて1台目のコンピュータに(A, B)、2台目に(C, D)を持たせると、1台目(A, B)=(AA, AB, BA, BB)、2台目(C, D)=(CC, CD, DC, DD)を計算できます。
残りの8回をどうしましょう?計算できませんね。3台目に(A, C)=(AA, AC, CA, CC)、あ、AAとCCは計算済だから(A, C)=(AC, CA)ですね。
4台目(B, D)=(BB, BD, DB, DD)、これも(B, D)=(BD, DB)
まだ4回残ってる。5台目(A, D)=(AD, DA)、6台目(B, C)=(BC, CB)。これで総当り戦ができました。
単純に台数6倍ですよ。このようにコンピュータを分割すると、総当り戦は台数が爆発的に増えるんです。
だからスーパーコンピュータは1台で処理します。
自分があたりまえと思っていることが、意外と世の中に知られていなかったりするんだ、これが。
世界一高速なコンピュータ、それもベクトルプロセッサ型であれば、世界一正確な天気予報を出せます。 予報するには、その地域の地面から空までを、縦、横、奥行で細かい目盛を付けて、目盛ごとに色々と計算が必要です。 計算に時間を掛けると、予報の時刻になっても計算が終わりません。計算を簡単にするには目盛を粗くすることで対応できますけれど 予報が外れやすくなります。目盛を10倍細かくしてより正確な予報を出そうとすると縦10倍、横10倍、奥行10倍で、掛かる時間は1,000倍です。 スーパーコンピュータを使う側は、とにかく目盛を細かくして、より正確なシミュレーションをしたい。 でも能力は一定だから、間にあうギリギリの目盛で我慢している状態なんですよ。 ソフト開発側(計算部門、応用部門=数字じゃ把握できないからね)は、少しでも要請に応えるよう、針に糸を通すような細かい事を積み上げて性能を出してます。 ハード開発側は、性能を上げるために、使用LSIの半導体製造方法までわざわざ開発してます。 でも必要な能力にとても届いていません。 ちなみに究極の目盛の細かさは「天気予報で、空気の分子1個ずつの移動をシミューレーションする」規摸なんです。 今みたいにkmオーダー(もう1km割ったかな?)の目盛なんかじゃまだまだ粗いんですよ。
世界一高速なコンピュータ、それもベクトルプロセッサ型であれば、世界一正確な津波予報を出せます。 事情は上と同じです。そういえば20年位昔に「日本列島に来た津波のシミュレーション」の展示を見た人いるかな?
世界一高速なコンピュータを持つ国には、こんな特典があります。
自分があたりまえと思っていることが、意外と世の中に知られていなかったりするんだ、これが。
世界一高速なコンピュータ、それもベクトルプロセッサ型であれば、世界一正確な天気予報を出せます。 予報するには、その地域の地面から空までを、縦、横、奥行で細かい目盛を付けて、目盛ごとに色々と計算が必要です。 計算に時間を掛けると、予報の時刻になっても計算が終わりません。計算を簡単にするには目盛を粗くすることで対応できますけれど 予報が外れやすくなります。目盛を10倍細かくしてより正確な予報を出そうとすると縦10倍、横10倍、奥行10倍で、掛かる時間は1,000倍です。 スーパーコンピュータを使う側は、とにかく目盛を細かくして、より正確なシミュレーションをしたい。 でも能力は一定だから、間にあうギリギリの目盛で我慢している状態なんですよ。 ソフト開発側(計算部門、応用部門=数字じゃ把握できないからね)は、少しでも要請に応えるよう、針に糸を通すような細かい事を積み上げて性能を出してます。 ハード開発側は、性能を上げるために、使用LSIの半導体製造方法までわざわざ開発してます。 でも必要な能力にとても届いていません。 ちなみに究極の目盛の細かさは「天気予報で、空気の分子1個ずつの移動をシミューレーションする」規摸なんです。 今みたいにkmオーダー(もう1km割ったかな?)の目盛なんかじゃまだまだ粗いんですよ。
世界一高速なコンピュータ、それもベクトルプロセッサ型であれば、世界一正確な津波予報を出せます。 事情は上と同じです。そういえば20年位昔に「日本列島に来た津波のシミュレーション」の展示を見た人いるかな?
世界一高速なコンピュータを持つ国には、こんな特典があります。
- 核保有国への脅威(アンタんとこより正確にシミュレーションできるぜ)
- 新興国からの支持(ウチのコンピュータ、使ってもいいよ)
- 地震に強い丈夫な建築物を作られる
- 人材の海外流出防止(わが国にいれば、スーパーコンピュータ使いたい放題<はいウソ)
- 2番手、3番手のコンピュータの価格が下がるので、国内企業が使えるようになり、海外企業に負けない。